2015.01.31【日译中】さよなら妖精90

夏侯燕 (ツバメ) 译犹未尽
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发表于:2015-01-31 00:41 [只看楼主] [划词开启]

 早速マーヤは手を頭の後ろにまわし、少し無造作にバレッタを髪に留めた。やや短めの癖っ毛なので、バレッタを使う意味はあまりなかったのだが、気に入ったと行動で示しているのだと思えば嬉しいぐらいだ。意図してのことではなかったが、そのバレッタの、日本人の黒髪を飾るために彩色された枯色はユーゴスラヴィア人の黒髪にもよく調和した。似合う似合わないでいえばマーヤには少し地味に過ぎる気もするが、まあいいだろう。

玛雅立刻伸手绕到后脑,有些随性地用发夹夹起头发。她的头发是略短的鬈发,所以发夹其实派不上什么用场,但一想到她是以行动来表示她喜欢这个礼物,就值得感到高兴。虽然不是刻意挑选的,但那为了衬托日本人的黑发所上的黄褐色,在南斯拉夫人的黑发上也非常协调。若以适不适合的角度来说,对玛雅可能有些太朴素了,但也不错啦。


 並んで鳥居をくぐる。ここから先が司神社だ。

 意外にも、マーヤは鳥居に関心を示さなかった。まあ、鳥居といえば地図記号になるほどの存在、既にそれについては充分知っているのかもしれない。あるいはひょっとしたら、真っ直ぐ前ばかり見すぎて頭上の建築物を見逃したのかもしれないか。

我们一起从牌坊下走过。从这里开始就是司神社了。
令人意外地,玛雅对牌坊并没有任何表示。不过,既然牌坊都已经成为地图上的图例了,也许她早就知道那是什么东西,或者,也可能是她的视线只顾笔直地往前看,而错过了头顶上的建筑物也说不定。


 階段を上る。敷かれた石畳は苔生《こけむ》している。マーヤが藤柴市最大の宗教施設と呼んだように、敷地は広い。境内には幾本もの松が、注連縄《しめなわ》をまかれて立っていた。椿の植え込みも目立ち、どことなく鬱蒼《うっそう》とした雰囲気だ。残念なことに、ざっと見た限りでは紫陽花は植わっていないようだ。目立つものといえば、松に追いやられたように片隅に立っている銀杏《いちょう》の巨木。秋までマーヤがいてくれるなら、綺麗な黄葉を見せられるものを。

我们拾级而上。铺在底下的石块长了苔藓。就像玛雅形容的,司神社是藤柴市最大的宗教机构,占地面积广大。神社境内有好几棵松树,树干上系着注连绳。茶花丛也很多,整体营造出一种蓊郁的气氛。可惜的是,放眼看过去,似乎没有植种绣球花。最显眼的,是像遭松树驱赶般,竖立在一角的巨大银杏树。如果玛雅能待到秋天,就可以让她看看美丽的金黄色树叶了。


 参拝に来ているひとはほとんどいなかった。祭りでもなければこんなものかもしれない。
 手水所《ちょうずどころ》を見つけたマーヤがそれに駆け寄る。柄杓《ひしゃく》を取ると、やると思ったのだが水をごくりと飲んだ。そして笑って、

「冷たい水です」

几乎没有人来参拜。也许没有庆典的时候都是这样。
发现手水所的玛雅往那里靠近。一拿起杓子,就大喝了一口。我就知道她会这么做。然后她笑着说,
“好冷的水。”


 たぶん面白がるだろうと思いながら、それは飲むための水ではないことを説明する。手を洗い口を漱ぐのが作法だと。マーヤはおれの思った通りの反応をした。即ち驚き、次に感心し手帳を取り出して書き付けると、必要以上に細心の注意を払ってお清めをやったのだ。それを笑って見ていたおれだが、マーヤに教えた手前、自分もぎこちない手つきでお清めをやらないわけにはいかなかった。手が先だったか口が先だったか。細かいところは憶えていない、いい加減なものだ。マーヤ以上にぎこちないおれの手つきを、マーヤは笑った。

我心里想着她一定会很感兴趣,嘴里一边向她解释那不是用来喝的水,洗手、漱口才是参拜神社的规矩。玛雅的反应果然如我所料,她立刻感到惊奇,接下来便是满心感佩地拿出记事本记录。记录好之后,小心翼翼地洗手、漱口。我笑着看她这么做,但是既然教了玛雅,自己也只好以生硬的动作做一遍。是先洗手还是先漱口呢?这些小细节我不记得了,总之做得非常随便。玛雅笑我动作比她更不熟练。


 奥へと進む。マーヤはあちこちにきょろきょろと視線をさ迷わせ落ち着きがない。またはぐれないように気をつける。

 とにかく、折角の焼きたてホットドッグが冷めてしまう。座れるところを適当に探す。幸い、銀杏の近くに木製のベンチが用意されていた。濡れていないか手のひらを当てて確かめ、大丈夫のようなので座る。陽の光が銀杏の青い葉に遮られると、湿気は変わらないものの思ったよりも涼しくなった。きのうまでの雨で、地面はまだ冷たいのだろう、と思った。

我们往里面走。玛雅四处张望,视线乱飘,没有焦点。我得小心,不要又走散了。
热腾腾的热狗都快凉了,所以我先找可以坐的地方。所幸,银杏附近就备有木制的长椅。我先以手心摸摸长椅,确认椅子有没有湿之后才坐下来。阳光被银杏青绿的树叶遮住,湿气虽然没变,却变得比想像中凉爽。一定是因为雨一直下到昨天的关系,所以地面还不太热吧,我想。


 紙袋からチーズドッグとジンジャーエールをそれぞれ二つずつ出す。ところがマーヤは、ぼんやりと境内の風景を眺めていて、昼飯に手を出さない。まあそのうち我に返るだろうと、おれは先に頂くことにした。さすがに専門店のこだわり、パンが香る。

我从纸袋里拿出两份起司热狗和两瓶姜汁汽水。玛雅却呆呆地望着神社内的风景,并没吃午饭的打算。反正她不久就会回过神来,我决定自己先吃。不愧是热狗专卖店,有专卖店的坚持,面包好香。


 マーヤはやがて呟いた。

「Ovo《オヴォ》 je《イエ》 zaista《ザイスタ》 lep《レープ》.……i《イ》 veoma《ヴェオマ》 intersantan《インテレサンタン》」

玛雅终于喃喃说了一句。
“Ovojezaistalep.……iveomaintersantan.”


 もちろん、一言も理解することができない。別に独り言を詮索するつもりはなかったのだが、マーヤははっと気づいたようにおれを向くと、わざわざ日本語で言い直してくれた。

「本当らしく思います」

当然,我半个字都听不懂。我并不打算追问她在自言自语些什么,不过当她彷佛赫然清醒般转向我时,特地以日文重复了一次。
“我觉得很像真的。”


 おれは黙ってチーズドッグにかじりついた。ソーセージの皮が、ぱりっと音を立てた。

 マーヤはたぶん、こことユーゴスラヴィアの聖域を、たぶんキリスト教会周辺を重ね合わせて比較し、それゆえの感慨を感じているのだろう。ひょっとしたら、他の国の聖域もダブらせているかもしれない。おれもそうしてみたい、ふとそう思った。しかしそれはおれの能力を超えることだ。いや。問題は能力というより経験だ。おれはなにも見たことがないのだ。

我默默地啃着起司热狗。香肠的皮发出啪哩的声音。
玛雅大概是把这里和南斯拉夫的圣域,我想是基督教教堂的附近地区拿来比较,因而产生这种感慨吧。搞不好,也和其他国家的圣域重叠在一起。突然之间,我也想这么做,但是,这超过了我的能力范围。不对,问题不在于能力,而是经验。我什么都没见试过。


 やはり、共有できない。そのことが強く認識された。それは誰に対しても成立する不変の法則だろうが、マーヤとおれでは拠って立つところが違いすぎる。

果然无法共享,我深刻地体认到。虽然这是一条对任何人都成立的不变法则,但玛雅和我的立足点相差太多了。


 さっきからマーヤがおれに訊いてばかりだった。たまにはこちらから訊いてもいいだろう。
「マーヤ」
「Da?」

「あちこちの国で、きょうみたいに哲学的意味ってのを見てまわっているんだろう?」

刚才一直是玛雅问我问题,偶尔我也可以问问她吧。
“玛雅。”
“什么?”
“你在很多国家,都像今天一样,看了很多有哲学意义的东西吧?”


 心なしか誇らしげに、マーヤは頷く。
「そうです」
 ジンジャーエールを一口。

「なんのために?」

玛雅骄傲地点点头。
“是的。”
我暍了一口姜汁汽水。
“你为什么要这么做?”


 知りたいがゆえに知る、という世界があることはおれも知っている。好奇心、向学心、見方によっては利己の心を離れた高貴な心理だろう。しかしおれは、自分をそれほど実際家だとも思わないが、そういった態度にはどうにも道楽が潜んでいるようで、好きになれない。

因为想知道所以去追究,这样的感受我可以了解。好奇、好学,换个看法,亦可视为无私的高贵心态。但是,尽管我不认为自己是什么务实主义者,却老是觉得那种心态里隐含着消遣的成分,实在无法欣赏。


 ところがマーヤからは、そうした印象は受けない。もちろん「面白いこと」への興味はあるのだろうが、それだけなのだろうか?
 答えは、あっさりと返ってきた。
「それが、わたしの、仕事です」
「……金をもらっていたのか」

「いいえ? んー、適切な日本語はなんでしょう。役割? 責務? わかりますか」

然而,玛雅并没有给我那种印象。当然,她对“有趣的事”感兴趣,但难道就只是这样吗?
她很干脆地作答。
“那是我的工作。”
“……有钱可拿吗?”
“没有啊!呃,贴切的日文是什么呢?角色?任务?你懂我的意思吗?”

分类: 日语

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