2015.01.31【日译中】さよなら妖精91

夏侯燕 (ツバメ) 译犹未尽
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发表于:2015-01-31 09:26 [只看楼主] [划词开启]
言わんとすることはわかる。使命というのが一番近いのではないか。しかし、それではなにも説明されていない。

 マーヤは姿勢を変えた。体をおれのほうに向けて、真っ直ぐ眼を合わせる。口許も眼も、ぴしりと引き締まっていた。マーヤは一切の誤魔化しなくおれの問いに答えるつもりだとわかった。風はそよとも吹かず、人影は見えず、蝉の季節にはまだ早くて、境内は静かだった。

我了解她想说什么,使命应该是最接近的说法吧。但是,这样我依然无法理解。

玛雅换了一个姿势。她把身体转向我,直视我的眼睛。嘴角和眼神都非常严肃,看得出玛雅准备一五一十地回答我的问题。空气中没有一丝半缕的微风,放眼不见人影,蝉鸣的季节未到,神杜内寂然无声。


 日本語を間違えないように、ということだろうか。マーヤの言葉はとてもゆっくりとしていた。

「もりやさん。わたしはユーゴスラヴィヤ人と言いましたが、本当のことについて言うと『ユーゴスラヴィヤ人』は存在していないと思われています。いるのは srbin《スルビン》 や Hrvat《フルヴァト》……。スルビヤ人や Hrvatska《フルヴァツカ》 人という民族だと思われています。

多半是不想用错日文吧,玛雅说得极慢。
“守屋,我说我是南斯拉夫人,说真的,一般都认为‘南斯拉夫人’并不存在,存在的是Srbin、Hrvat……塞尔维亚人和Hrvatska人这些民族。


 ユーゴスラヴィヤには六つのレプブリカ……、国があります。六つの民族は、一つ一つが独立の国を造ろうとすることをやめ、Socijalisticka《ソツィヤリスティチカ》 Federativna《フェデラティヴナ》 Republika《レパブリカ》 Jugoslavija《ユーゴスラヴィヤ》 を造りました。六つの民族は血でいえば近しい家族だと思ったからです。んー、一九一八年のことです。それからユーゴスラヴィヤは、一つの国で、六つの文化を持つことになりました。

 でも、一九一八年からいまの年まではどれくらいですか?」

“南斯拉夫有6个Republika……国家。6个民族放弃独立成为各自的国家,建立了SocijalistikaFederativnaRepublikaJugoslavija。因为这6个民族认为大家是血缘相近的家人。呃,那是1918年的事,从那之后,南斯拉夫便成为一个国家,拥有6种文化。

可是,1918年到现在有多久了?”


「……七十と……。七十三年、だ」

「Da. 七十三年は長いです。わたしの父はスルビヤ人です。母はSlovenija《スロヴェニヤ》 人です。母の父は Makedonija《マケドニヤ》 人です。わたしは? わたしはユーゴスラヴィヤ人です。

“70……73年。”
“嗯,73年很长。我的父亲是塞尔维亚人,母亲是Slovenija人。母亲的父亲是Makedonija人。我呢?我是南斯拉夫人。


 ユーゴスラヴィヤには六つの文化があります。でも、わたしは、んー、わたしたちは、七つ目を作っています。そうしたくなくてもそうなるのです。そしてわたしたちはそうしたいのです。それならわたしたちは、いつか記念の塔を建てなければいけません。それは遠い先のことではないと、わたしは思います。……んー、上手く話せていますか?」

「わかるよ」

“南斯拉夫有6种文化。但是,我,嗯--我们正在创造第7种。就算不想这样,也会变成这样。而我们希望可以创造出第7种文化。既然如此,总有一天,我们就必须建纪念塔。我认为,那并不是很久以后的事……嗯--我这样讲清楚吗?”
“我听得懂。”


 おれのその言葉のなんと軽いこと。

「わたしたちの伝統は創造されたものです。わたしたちの共同体は想像されたものです。それでもわたしたちは、六つの文化のうちどれか一つにではなく、わたしたちの文化に生きることになるのです。もう一度言います、そうしたくなくてもです。わかりますか?」

「…………」

我回的这句话是多么草率啊。
“我们的传统是被创造出来的。我们的共同体是被想像出来的。即使如此,我们将会活在我们的文化里,而不是那6种文化里的任何一种。我再说一次,就算不想这样,也会变成这样。你懂吗?”
“……”


「でも、ユーゴスラヴィヤは豊かな国でもありません。とても残念ですが、豊かでないユーゴスラヴィヤ人は七つ目の文化をそれ自体と見ることができません。どうしてかと言えば、他の文化と比べることができないからです。

 そして、わたしは豊かなユーゴスラヴィヤ人です。わたしの父は党の上の方にいます。わたしはどちらかというと自由に、いろいろの国を見ることができます。わたしたちの中で、わたしは例外です。それならいろいろの国を、んー、いろいろの文化を見ることは、わたしの仕事だとわたしは思います。

 いつか、わたしたちは六つの文化を止揚《しよう》するでしょう。ユーゴスラヴィヤを連邦でなくするでしょう。だからわたしは見てまわります。……わかりますか?」

“可是,南斯拉夫并不是一个富有的国家。很遗憾,不富有的南斯拉夫人无法看见第7种文化。至于原因,是因为无法与其他文化比较。
“而我,我是富有的南斯拉夫人。我的父亲是党的高层。相形之下,我能够自由地去看各个国家。在我们当中,我是例外。既然如此,我就把看各个国家,呃,看各种文化当成我的工作。

“总有一天,我们将会扬弃6种文化,使南斯拉夫不再是一个联邦。所以,我要到处去看……这样你懂吗?”


 わかる、とはもう言えなかった。わからなかったと言った方が本当だろう。
 ただわかったのは、遠くユーゴスラヴィアに新しい世界を築こうとするひとびとがいること。マーヤは自分の境遇でしかできないことをやろうとしているのだ、ということ。それは具体的には? おれは言った。

「お前は、芸術家になりたいのか」

我再也不敢说我懂了。说不懂,才是事实吧。
我只知道,在遥远的南斯拉夫,有许多人努力想建立新的世界。我只知道,玛雅正努力在做只有位于自己的处境中才能做的事。具体而言是什么呢?我说道。
“你想当艺术家吗?”


 マーヤは笑った。
「やはりわたしの日本語はまだまだですね」
 そしてマーヤは、まるで、おれに約束するかのように言葉を噛み締める。

「……わたしは、政治家になるのです」

玛雅笑了。
“我的日文果然还很糟。”
然后,玛雅似乎是在对我做出承诺一般,一个字一个字地说。
“……我要当政治家。”


 既に冷めかけたチーズドッグを、マーヤはつかみ、豪快にかぶりつく。目を丸くして、ユーゴスラヴィア人の彼女は手の中のチーズドッグを見つめた。
「んー。素晴らしくおいしいですね!」
 おれも食べる。素晴らしく、うまい。

 それは共有できるのに。

起司热狗早就凉了,玛亚却拿起热狗,豪爽地大咬一口。身为南斯拉夫人的她双眼圆睁,盯着手上的起司热狗。
“唔。味道棒极了!”
我也吃了。味道,棒极了。
若是这种感觉,我就能与她共享了。


 マーヤは遠くから来たのに、時々とても近くにいる気がする。しかし近くにいるようでもやはり、マーヤは遠くから来たひとなのだ。様々な意味でマーヤとおれは、生きる世界が違うと知る。ひょっとしたらおれは、いらないことを訊いてしまったのかもしれない。
 ジンジャーエールを呷《あお》る。

 ……それとも、おれもマーヤと行けるだろうか?

玛雅明明来自远方,但有时候,我会觉得她离我好近。可是,即使似乎离得很近,玛雅依然是来自远方的人。我知道在种种层面上,玛雅与我生活在不同的世界。也许,我刚才问的,是个不需要问的问题。
我仰着脖子大口喝下姜汁汽水。
……或者,我也可以跟玛雅一起走?

分类: 日语
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