2015.05.14【日译中】アグニの神(六)芥川竜之介「短篇小説」(終わり)

a139111 (コエイ) 译译生辉
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发表于:2015-05-14 22:15 [只看楼主] [划词开启]

アグニの神

 

芥川あくたがわ 龍之介りゅうのすけ



その内に部屋の中からは、誰かのわっと叫ぶ声が、突然暗やみに響きました。それから人が床の上へ、倒れる音も聞えたようです。遠藤は殆ど気違いのように、妙子の名前を呼びかけながら、全身の力を肩に集めて、何度も入口の戸へぶつかりました。

 

过了不久突然从屋中传来了不知是谁的叫声,在黑暗之中荡漾。然后还听到了有人倒地的声音。远藤几乎要疯掉了一样,一边喊着妙子的名字一边讲全身力量集中在肩膀上,不停的去撞房门。

 

板の裂ける音、錠のはね飛ぶ音、~戸はとうとう破れました。しかし肝腎の部屋の中は、まだ香炉に蒼白い火がめらめら燃えているばかり、人気のないようにしんとしています。

 

门板的碎裂声、锁头的撞击声、~最终还是把门撞开了。但在这至关重要的屋子里,只有香炉里那青涩的火炎在熊熊燃烧着,寂静的仿佛没有人的气息。

 

遠藤はその光を便りに、怯ず怯ずあたりを見廻しました。するとすぐに眼にはいったのは、やはりじっと椅子にかけた、死人のような妙子です。それが何故か遠藤には、頭に毫光でもかかっているように、厳かな感じを起させました。

 

远藤借助火光,胆怯的环顾四周。于是,依然一动不动的坐在椅子上、像死人一样的妙子,很快映入眼帘。可不知为何让远藤感受到一股圣光之类的东西在头上环绕着。

 

「御嬢さん、御嬢さん」遠藤は椅子へ行くと、妙子の耳もとへ口をつけて、一生懸命に叫び立てました。が、妙子は眼をつぶったなり、何とも口を開きません。

 

“大小姐!大小姐!”远藤来到椅子旁,将嘴靠近妙子耳边拼命的喊着。但妙子闭着眼,还是没开口说话。

 

「御嬢さん。しっかりおしなさい。遠藤です」妙子はやっと夢がさめたように、かすかな眼を開きました。「遠藤さん?」「そうです。遠藤です。もう大丈夫ですから、御安心なさい。さあ、早く逃げましょう」

 

“大小姐!请振作点!我是远藤!”妙子终于从梦境中醒来,微微的睁开双眼。“远藤?”“是的,我是远藤!已经没事了,请放心吧!好了,快走吧!”

 

妙子はまだ夢現のように、弱々しい声を出しました。「計略は駄目だったわ。つい私が眠ってしまったものだから、~堪忍して頂戴よ」「計略が露顕したのは、あなたのせいじゃありませんよ。あなたは私と約束した通り、アグニの神の憑った真似をやり了せたじゃありませんか?~そんなことはどうでも好いいことです。さあ、早く御逃げなさい」

 

妙子好像还在半睡半醒,用微弱的声音说:“计划落空了,我不小心就睡着了~请原谅我。”“计划落空跟大小姐无关啊。正如大小姐和我所说的那样,您不是模仿了火神附体么?~计划落不落空怎样都好!好了,离开这里吧”

 

遠藤はもどかしそうに、椅子から妙子を抱き起しました。「あら、嘘。私は眠ってしまったのですもの。どんなことを言ったか、知りはしないわ」妙子は遠藤の胸に凭れながら、呟くようにこう言いました。「計略は駄目だったわ。とても私は逃げられなくってよ」「そんなことがあるものですか。私と一しょにいらっしゃい。今度しくじったら大変です」「だってお婆さんがいるでしょう?」「お婆さん?」

 

远藤急切的将妙子从椅子上抱起。妙子一边倚靠在远藤胸前,一边小声的说:“啊?,不能啊。我的确睡着了。我真不知道你在说什么啊,我说过计划已落空,我是不能从这里逃出去的。”“不会那样的!和我一起走!这回再失败就麻烦了!”“可是巫婆还在,不是么?”“巫婆!?”

 

遠藤はもう一度、部屋の中を見廻しました。机の上にはさっきの通り、魔法の書物が開いてある、~その下へ仰向きに倒れているのは、あの印度人の婆さんです。婆さんは意外にも自分の胸へ、自分のナイフを突き立てたまま、血だまりの中に死んでいました。

 

远藤再次环顾了屋子四周。桌面上和刚才一样有摊开着的魔法书,~在桌子下面倒在地上仰面朝天的,正是那个老巫婆。很意外的是老巫婆自身胸前插着自己的那把刀,死在血泊之中。

 

「お婆さんはどうして?」「死んでいます」妙子は遠藤を見上げながら、美しい眉をひそめました。「私、ちっとも知らなかったわ。お婆さんは遠藤さんが~あなたが殺してしまったの?」

 

“这老巫婆怎么了?”“死了。”妙子一边抬头看着远藤一边皱着眉头说:“我真的什么都不知道啊。莫非老巫婆是远藤~你杀死的么?”

 

遠藤は婆さんの屍骸から、妙子の顔へ眼をやりました。今夜の計略が失敗したことが、~しかしその為に婆さんも死ねば、妙子も無事に取り返せたことが、~運命の力の不思議なことが、やっと遠藤にもわかったのは、この瞬間だったのです。

 

远藤将视线从巫婆尸体上,转向了妙子的脸上。今晚的计划(确实是)失败了~但因此老巫婆却死了,妙子能安然无恙救出来的话~这一瞬间,远藤终于全明白了---命运这不可思议的力量。

 

「私が殺したのじゃありません。あの婆さんを殺したのは今夜ここへ来たアグニの神です」遠藤は妙子を抱かかえたまま、おごそかにこう囁きました。

 

     远藤抱着妙子,低声严肃的这样说道:“不是我杀的。杀死巫婆的是今晚降临的火之神。”

 

「終わり」


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読書とは「むやみに読んでないかもしれない、平仮名ずつ、すべて心で感じ取ったまえ!」




分类: 日语
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