むかしむかし、あるところに、お父さんと男の子が二人で暮らしていました。
很久很久以前,有一个地方,爸爸和儿子两人相依为命。
お母さんが亡くなったので、お父さんは一人で男の子を育てているのです。
因为母亲去世了,父亲独自一人抚养着儿子。
お父さんは男の子をとても可愛がり、山へ仕事に行く時も、町へ出かける時も、いつも男の子を連れて行きました。
父亲非常疼爱儿子,无论是去山上工作,还是去镇上办事,总是带上儿子一起去。
さて、ある月夜の晩の事です。
在一个有月亮的夜晚
町へお使いに行っての帰り道、お父さんがふと横の畑を見ると、おいしそうなカボチャが顔を出していました。
在镇上办完事情的回程中,父亲突然看见路边的田野里,露出了一只诱人的南瓜。
お父さんはそのカボチャが食べたくなり、男の子に言いました。
父亲很想吃那只南瓜,于是向儿子说:
「おい、誰か見ている者がいたら、すぐに知らせろよ。お父さんが、今からカボチャを取ってきてやるからな」
“哎,如果有人看见的话,你马上告诉我。爸爸现在去帮你摘南瓜”
「うん。わかった」
“嗯,知道了”
男の子が返事をすると、お父さんは畑の中に入って行きました。
儿子回答以后,父亲走进了田里。
するとそのとたん、男の子が言いました。
但在那一刻,儿子突然说:
「だめ! お父さん、見ているよ」
“不行,爸爸,有人看着呢”
「えっ!」
“啊?”
お父さんはびっくりして、畑の中にしゃがみ込みました。
爸爸吃了一惊,赶紧弯腰蹲进田里。
でも周りには、人のいる様子がありません。
但是周围并没有人。
お父さんは畑から立ちあがって、男の子に言いました。
父亲从田里站了起来,冲儿子说
「何を言っているんだ? 誰も、見ていないじゃないか」
”你在说什么呀?不是没人看见吗?“
すると男の子が、空を指差して言いました。
于是儿子用手指着天空说:
「ほら、お月さまが見ているよ」
”瞧,月亮婆婆看着呢“
お父さんが空を見上げると、大きな満月が二人を照らしています。
父亲仰头看天,有一轮满月正亮堂堂地照在二人身上。
「そうか、なるほど。確かに、お月さまが見ているよな。・・・ありがとよ、お月さま」
”是啊,对啊。月亮婆婆是在看着我们呢。......谢谢你,月亮婆婆“
お父さんはカボチャを盗むのをやめると、男の子と手をつないで帰りました。
父亲放弃了偷南瓜的打算,和儿子手牵手回家了。
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