門松を立てることも、 雑煮をたべることも 、 賀状を出すことも、 実は、 本当を言えば、 何を意味しているか判らない。しかし、 これだけは判っている。 人間の一生が少々長すぎるので 、 神様が、 それを 、 三百六十五日ずつに区切ったのだ。 そして、 その区切り 、区切りの階段で 、 人間がひと休みするということだ。
私は神様が作ったその階段を、 ずいぶん沢山上がって来た。今年はその五十段目だ。 昭和三十二年の明るい日の光を浴びて、私はいまひと休みしている。はるか下の方の段で、私の四人の子供たちも、それぞれ新しい着物を着て、いまひと休みしている。@斋石@林笛晚歌