2016.09.13【日译中】日文小说翻译作品『ひよこの眼』

KutouLan
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发表于:2016-09-13 22:48 [只看楼主] [划词开启]


小说及作者介绍

这篇短篇小说,作为课文出现在日本国语教科书中。讲述了一个很悲伤的故事。故事发生在女主人公亚纪,一名15岁的初中三年级学生,和转校生相泽干生身上。小说作者是山田咏美,可能各位读者不是很了解她,但是说到《贤者之爱》,今年最毁三观的日剧的话,大家肯定就知道了。没错,《贤者之爱》就是改编自山田咏美的同名小说。山田咏美很擅长人物的心理描写,翻译过程中,如果不能将其展现出来,就会失去很多乐趣。这是我的处女翻译作品,多有不足之处,还请大家给出宝贵的意见。让我们一起翻译一起进步!

ひよこの眼

山田詠美作 编者译



その男子生徒の目を見た時、なぜか懐かしい気持ちに包まれたのだが、それがいったいどのような記憶から端を発しているのかが、私にはとっさに思い出せなかった。私は、その時、まだ中学三年生だったし、その年齢で懐かしがるべきことなど、ひとつもないように思えたから、せつない感情が霧のように胸を覆い、心を湿らせた時、私は驚き、そして混乱した。

当我看到那个男生眼睛的时候,不知为何有一种似曾相识的感觉,一时间我突然想不起来在记忆里的那种似曾相识来自何处。我那时还是初三的学生,在那个年龄段里,并没什么有可供我怀念的东西,可是当难过的心情就像水雾一样覆上心头并浸湿了我的心田的时候,我感到了惊讶并有些慌乱了。

 

彼、相沢幹生は、教壇に立ち、澄んだ瞳で、教室を見下ろしていた。私たちは、好奇心にあふれた様子で、その転校生を見つめて、ひそひそと内緒話を続けていたが、彼は、まったく動じない様子で、担任の教師が自分を紹介するのを聞いていた。

他叫相泽干生。班主任正在向我们介绍着他,我们看着这位转校生,大家按捺不住好奇心,在下边小声私语地谈论着他。而他则不动声色,用清澈的眼眸俯视着讲台下的一切,听着老师介绍。

 

……というわけで、相沢は、きみたちと同じ場所で学ぶことになったわけだ。卒業までの短い間だが、どうか仲よくしてあげてくれたまえ。じゃ相沢、きみからも何か挨拶があるだろう。

“……所以说,相泽要和你们在一起学习,距离毕业还有一段时间,大家要和他友好相处。那么,相泽,你也跟大家打声招呼吧。

 

教師は促すように彼を見た。けれど、彼は、ただ立ち尽くしているだけだった。緊張してしまったのだろうかと、私は顔を上げて彼の顔を見た。ところがそうではなかった。彼は、落ち着いていた。そして、その澄んだ瞳をまばたきもせずに大きく見開いて何かを見ているようだった。何を見ていたのかは、まったくわからない。私には、彼が、空気中にある彼自身にしか見えないものを見つめているように思えた。つまり、彼は、教師のことばなどまったく耳に入れていないのを明らかに周囲にわからせてしまうほどに、うわのそらだったのだ。

老师投来殷切的目光,但是他还是一言不发地站在那里。我心想他一定是紧张了吧,于是抬起头来看了他一眼。然而并不是那么回事。他很镇定,而且,他一眨也不眨地睁大那双清澈的眼睛,好像是在看着什么。至于他看到了什么,我完全无从得知。我想是他在看空气中看到了只有他自己才能看到的东西。也就是说,老师说的话他完全没有听进去,大家都能看的出来,他一副心不在焉的样子。

 

教師は、顔を赤らめて、咳払いをした。

「おい、相沢、おい、聞いているのか」

彼は、ふと我に返ったように、怪訝な表情で、教師を見た。

「挨拶ぐらいできんのか、おまえは。

老师脸有点泛红,他清了清嗓子继续说道:“喂,相泽,喂,你有在听我说话吗?”

他这才一下子回过神来,用诧异的眼神看向老师。

“你连跟大家打声招呼都做不到吗?”

 

彼は、小さく肩をすくめて、頭を下げた。私たちは、いっせいに吹き出した。同じ年齢にしては、妙に超然とした雰囲気が、おかしかった。私たちのほとんどが、担任教師を嫌っていたので、彼のような態度は、私たちの気に入った。教室のいちばん後ろに用意された席に、彼が歩いて行く時、私たちは、目配せを交わし合った。こうして、幹生は、私たちのクラスの一員になった。

听了老师的话,他缩紧小小的肩膀,低下了头。我们一齐笑出了声。他明明跟我们一个年纪,对此却毫不在乎的样子,真的很奇怪。班上大部分人都不喜欢班主任,所以我们对他不把老师当回事的态度很满意。在他走向教室最后一排为他安排的座位时,我和周围的同学们互相使了个眼色。此后,干生成了我们班的一员。

 

幹生は、自分から、他の生徒と積極的にことばを交わそうとはしなかったが、そのひょうひょうとした様子は、みんなの気を引くのに十分だった。休み時間になると、何人かの男子生徒が彼のところに行き、彼を質問責めにした。そして、少し離れた場所で、女子生徒が彼らの会話に耳を傾けた。みんな、季節外れの転校生の秘密を知りたがっていた。けれど、幹生は、個人的な事情などは、うまいぐあいに、避けてことばを選びながら会話を交わしていたので、私たちは、彼の前の学校でのことを少しばかり知るだけだった。

干生在班级里并不会主动地和其他同学聊天,但他悠然的样子足够引起大家对他的兴趣。一到课间休息时间,就会有几个男生去他座位边上,问他一些问题。然后,在离他不远的地方,女生们就聚在一起细听他们在聊什么。大家都想知道,不在开学季转学的转校生有什么秘密。可是,干生总是巧妙地避开自己事情和男生聊天。因此我们对他在之前的学校里发生过什么事情知之甚少。

 

「けっこう、すてきだよね、相沢くんて。」

「大人っぽい気がする。

“相泽同学好棒啊。”

“有没有觉得他很成熟?”

 

私と仲のよい女の子たちは、口々に、そんなことをささやいていた。転校生は、いつも見慣れた男子生徒たちより、どうしても格好よく見えるものだ。私はそんなふうに思った。私は、むしろ、彼の瞳に遭遇した時のあの懐かしい感情について考えていた。初めて出会う人間に対して、なぜ、そんな思いが心をよぎるのかが不思議でならなかった。自分の内のつたない記憶をたどってみるのだが、解決しなかった。まるで、解けない問題を一つ抱えているような気分になり、私は、自分自身をもどかしく思った。

跟我关系要好的女生们,异口同声般地对我说了这些悄悄话。我知道,比起那些每天都见面且已经很熟悉了的男生们来说,转校生他无论做什么都很有魅力。与之相比,我更在乎的是,跟他目光撞上时,那种似曾相识的感觉到底是怎么回事。对于初次见面的人而言,为什么会闪现出这种念头呢,实在是不可思议。我试图在我的记忆里探索却未果。它就好像是一个无法解开的谜题,使我变得有点烦躁不安了。

 

その日以来、私は、少しばかりいらだちながら、毎日を送るようになった。私は、授業中、あるいは休み時間、つまり学校にいる間は、ほとんど一日じゅう幹生を盗み見るようになった。もちろん、転校生の彼は、いつも、生徒たちの注目を集めていたが、私が彼を見つめるのは好奇心からではなかった。私は、どうしても、心の中のもどかしさを取り去りたかった。思い出そうとして、思い出せないものを抱えるほど、腹立たしいことはない。私は、時には、歯がみをしたいくらいの気持ちで、幹生を見つめ続けた。

从那天开始,我每天都在一些焦躁中度过。在课堂上,以及课间休息的时间,总之只要是在学校,我几乎一整天都在偷偷地看着干生。当然,他是转校生,一直都备受同学们的关注,但是我并不是出于好奇才注视他的。我无论如何也想除去内心深处那种急不可耐的感觉。想要想起一件事却怎么也想不起来是最令人气愤的了。我有时候,是抱着咬牙切齿的心情,注视着干生的。

 

彼は、いつもうわのそらのように見えた。うわのそらという言い方は正しくないかもしれない。彼の瞳は、いつも真剣に何かを見つめているようだったから。けれど、その何かは実在するものではないようだった。空気の間に、何か、彼にとっての重大なものが浮かんでいるかのように、彼は一点を見つめているのだ。彼は、いったい何を見ているのだろう。私は、時おり、彼の視線の方向に自分の焦点を合わせて見るのだが、もちろん、私の目には何も映らない。まばたきすらしない彼の瞳には、いつも、うっすらと涙の膜が張っている。私は、それを見て、首をかしげずにはいられない。彼が、何かに関して真剣になっているのは確かだと思うのだが。

他一直都是一副心不在焉的样子。他的眼睛总是很认真的在看着什么,所以用心不在焉来形容他好像又不太准确。但是,他看的东西似乎不是实际存在的东西。就像在空气中漂浮着对他而言很重要的东西一样,他只是凝视着一点。他到底在看什么呢。我有时会沿着他的视线方向看过去,当然,我什么也没能看出来。在他一眨也不眨眼睛里,总是隐约铺着一层薄薄的泪膜。对此我就不由得感到纳闷。他确实是在很认真的考虑着什么。

 

「ねえ、亜紀、ちょっと聞いてもいい?」

親友の春子が、ある日、言いにくそうに私に尋ねた。

“我说,亚纪,我可以问你件事吗?”

某一天,好友春子很难开口的样子向我问道。

 

「なあに?」

「あのさ、これ、みんなが言ってるんだけど、あんた、相沢くんのこと好きになったんじゃない?」

私は、驚いて、思わず自分の胸を指さした。

「私がどうして」

「だって、みんな、あんたがいつも相沢くんのこと、ぽおっと見てるって言ってるよ。」

「そんな……。」

私は、困りきった表情を浮かべたまま、なんと言ってよいのかわからずに呆然としていた。私が彼を見つめているのは事実だが、決して、彼に心を引かれたとか、そういう甘い気分でいるのではないのだ。

“什么啊?”

“那个,大家都在说,你,是不是喜欢相泽呢?”

我惊讶的指着自己说:“我喜欢他?为什么啊?”

“因为,大家都在说,你总是呆呆地看着相泽啊。”

“没有啊……”

我一脸无措的表情,不知道说什么才好,呆在了那里。我注视着他这的确是事实,但绝不是因为我被他吸引才产生出那种甜蜜的感觉。

 

「そういうんじゃないよ。でも、そんなふうに見えるの?」

「うん、見える。」

「困ったな。」

私は、その不本意なうわさを消し去るために、彼を見つめるのを当分やめることにした。すると、かえって私のしぐさはぎこちなくなってしまい、自分でもわかるほどに、冷や汗をかいた。幹生に出会ってから、数週間のうちに、私は、自分が彼を盗み見るということを習慣にしてしまったことに気がついた。

“根本就不是这样啊。但是,我看起来像喜欢他吗?”

“嗯,能看出来。”

“怎么办啊。”

我为了消除那些无中生有的流言,决定暂时不再看他了。结果,我的举止反而变得木讷,连我自己也能感觉到冒冷汗。我发觉,自从干生转到我班后,在几周之内,我已经把偷看他当作一种习惯了。

 

授業中、幹生が指名されて立ち上がると、クラスじゅうの生徒たちは、いっせいに私を見るようになった。私には、彼らのこらえている笑いの気配を背中で感じることができた。私は、彼らの思っていることが、まちがいであることを悟らせるために平静を装おうとするのだが、そうしようとすればするほど、顔は赤く染まり、冷や汗が額に浮いた。私は泣きたい気分だった。どうして、こんなことになってしまったのだろう。私は、ただ、解けない問題の答えを探るように、幹生を見ていただけだったのに。私は、自分があまりにも無防備であったことに舌打ちをしたい気分だった。受験を控えた生徒たちにとって、恋のうわさは、ちょうど手ごろな気分転換法だったのだ。

课堂上,只要干生被点名起立,班里的同学都会不约而同的看向我。我能隐约感受到他们强忍笑意的样子。我想让他们认清,他们所认为的事情是个误会,于是我就作出很平静的样子。但是我越想装作自己很平静,我的脸就越是通红,额头上也冒出冷汗。我都想哭了。为什么会变成这样呢。我只是为了解开谜题,在干生身上寻找着答案而已。我很后悔自己毫不设防。对于临近考试的学生来说,散播恋爱的流言,就是一个恰到好处的用来转换心情的方法。

 

それは、秋の学園祭についての話し合いが持たれた放課後のことだった。クラスの中から実行委員を男女各一名選出するために、クラス委員が候補を募っていた。ある男子生徒が手を挙げて言った。

「相沢と亜紀なんてどう?」

那是发生在某一天的放学之后。那天为了商量秋季校园文化节的事,班里为班会做了点准备工作。要从班级里选出一男一女来当负责人,于是班长向大家募集了人选。一名男生举起手说到:“相泽和亚纪来当负责人怎么样?”

 

いっせいに拍手が起こった。私は、だれかがその悪い冗談を口にしないように、ずっと下を向いていたのだが、やはり、逃げようとすればするほど、彼らは私の気持ちを探し当ててしまうのだ。

クラス委員は、少し困ったように言った。

「亜紀はいいけど、相沢くんは転校して来たばかりだし、どうでしょう?」

「でもさ、卒業までに、一個ぐらい思い出を作っといたほうがいいぜ。」

「そう、そう、二人は、息もぴったり合ってるし。

同学们齐刷刷的鼓起了掌。我希望不要有人把那个不好的玩笑说出来,所以一直埋着头看着下面,但是,我越想逃避他们越能看出我的心思。班长有些为难,说道:“亚纪另当别论,可是相泽同学刚转学过来,要求他当执行委员有点为难吧。”

“可是,到毕业为止,留一个回忆还是蛮好的。”

“是呀,是呀,两个人,连呼吸都那么合拍。

 

みんな、げらげらと無責任な様子で笑っていた。どうして、こんなことになってしまったのかと、私は、うつむいて、涙をこらえていた。何度も言うようだが、私は、ただ、幹生を見て、あの懐かしさの原因を探し出そうとしていただけなのだ。

その時、幹生が、立ち上がって言った。

「おれ、やるよ。転校して来たばっかでいいんなら、引き受けます。」

「やった」

男子生徒たちは、口笛を吹いたり、拍手をしたりして、私と幹生をはやし立てた。女子生徒たちは、黙ったままの私に同情して、彼らに反対しようとしていた。

说完,大家不负责(没心没肺)地哈哈大笑起来。为什么会变成这样呢,我低着头,忍住眼泪。我也说过很多次了,我看他,只是想要找出我感到怀念的原因而已。

这时,干生站了起来,说道:“执行委员我当吧,如果刚转来也能当的话,我接受。”

“好样的”男生们又是吹口哨又是拍手,开始起哄喊出我和干生的名字。女生们见我沉默着,出于同情,想要阻止那帮男生。

 

「ちょっと、あんたたちやめなよ。亜紀、かわいそうじゃん。」

「なんで?だって、亜紀が、相沢のこと好きなのみんな、知ってるよ。」

「そうだよ。おれら、手助けしてやってんだぜ。」

「ちょっと、皆さん、静かに。多数決で決めたいと思います。賛成の人、手を挙げて。」

クラス委員のことばに、男子生徒全員が手を挙げた。すると、最初は周囲をうかがっていた女子生徒も手を挙げ始めた。春子を含めた私と仲のよい数人だけが、憮然とした表情で、机に肘を突いたままだった。

“喂,我说,你们别这样,亚纪岂不是很可怜吗?”

“怎么会?其实,亚纪喜欢相泽的事,大家都是知道的啊。”

“就是啊,我们,这是在帮忙啊。”

“喂喂,请大家保持安静。那就让大家举手投票表决吧。赞成相泽和亚纪当执行委员的请举手。”

听了班长的话,男生全员举起了手。接着,最初在向周围人打听什么的女生们,也开始举起了手。只有春子在内的我的几位好朋友,一脸不高兴的样子没有举手。

 

「決まりだね、これで。」

提案した男子生徒がうれしそうにそう言うのと同時に、幹生は立ち上がって言った。

「もういいんでしょ。」

そして、クラス委員があっけにとられる中、鞄を抱えて、私の席に来て、私を見下ろした。

「帰ろう。きみんち吉祥寺でしょ。おれも中央線だから。」

一开始提议的男生开心地说道:“那就这么决定了。”就在这时,干生站了起来,说:“你们已经闹够了吧。”说着,在班长目瞪口呆之下,夹起书包,走向我的座位,低头看着我,说:“我们回去吧,你家不是在吉祥寺吗。我也是坐中央线的。”

 

私は、驚きのあまり、彼を見上げているだけだった。幹生が直接、私に話しかけたのは初めてのことだったのだ。しかも、みんなが見つめている中で。

私は、うなずいて、のろのろと立ち上がって帰り支度を始めた。どうにでもなれという気分だった。どうせ、このまま、私がすねていたとしても、うわさが消えることなどないのだ。私と幹生は、二人で教室を出た。すげえとか、やるなあとか、男子生徒たちの感嘆の声が、私たちの背後から追いかけて来た。

我过于惊讶,抬头直直的看着他。这是干生第一次主动跟我说话,还是在众目睽睽之下。

我点了点头,慢吞吞的站起来开始收拾书包,心想无论如何也只有如此了。反正,就算我这么怄气下去,流言也不会消失的。就在我和干生两人走出教室后,从我们背后不断传来班里男生们“这也太牛了吧”“这小子行啊”之类的感叹声。

 

私と幹生は、しばらく無言で歩いていた。私は、男子生徒と連れだって歩くことなど初めてで、どぎまぎしていたが、彼に自分の気持ちを伝えておかなくてはと思い、ようやく口を開いた。

我和干生一时间沉默地走着,第一次跟男生走在一起,虽然尴尬得不知道说什么好,但我一想到自己必须把自己的想法跟他说清楚,最终还是开了口。

 

「あの、私、みんなが言うようなこと、思ってないの。どうして、あんなうわさが出たのかわからないけど……。」

幹生は、ちらりと私を横目で見て笑った。

「知ってるよ。でも、きみ、いつも、おれのこと見てたでしょう。」

私は、自分の頬に血がのぼるのを感じた。

「気づいてたの?」

「うん。なんでかなって思ってた。

“那个,我,就是大家都在说的事情,我没有那个想法。虽然我不知道为什么会出现那种流言……”

干生瞅了我一眼笑了:“我知道的。但是,你总是在看我吧。”

我感觉自己的脸(憋得通红):“你注意到了啊?”

“嗯,我还在想是为什么呢。

 

私は、ため息をついた。彼は、私が見つめていたことを知っていたのだ。そして、そこには、初恋とか、そのような甘い気持ちが混じっていないことにも気づいていたのだ。私は、なんだか味方を得たような気分になり、気持ちがらくになるのを感じた。どうやら、彼は、物事を正確に見つめることのできる人のようなのだ。

我叹了口气。原来他知道我在注视着他啊。而且,他也察觉到,我的注视里面没有混杂着初恋那种甜蜜的情愫。我一下有一种获得了同伴的感觉,心情变得轻松起来。看来,他是一个明事理的人啊。

 

「実はねえ……。」

私は、初めて彼の瞳に出会った時から、ずっと心の中に棲んでいる疑問について話し始めた。彼は、興味深そうに、私の話を聞いていたが、首をかしげるばかりだった。

「でも、おれ、東京に引っ越して来たばっかだし、きみと会ったことなんてないはずだよ。」

「うん。それはわかってるんだけど、絶対に見覚えあるのよね、相沢くんの目に。」

「ふうん。ま、いいか。」

そう言ったきり、幹生は、再び黙って歩き続けた。私は、彼が、再び、あの目をしているのに気づいて、慌てた。いったい、どこでこの目に出会ったのだろう。

“其实呢……”我开始跟他讲述,从我第一眼看到他的时候开始,一直存于心中的疑问。他一边兴致勃勃地听我讲着,一边歪着头思考。“可是,我从东京刚搬过来,跟你不可能见过面的。”

“嗯。我当然知道,但是相泽的眼睛,我绝对似曾相识。”

“是嘛。算了,不管了。”

干生说完,就又沉默着往前走着。我注意到,他的眼睛又回到一开始我所见到的那样,我有些慌乱。究竟是在哪里见到这双眼睛的呢?

 

「相沢くん。」

「えっ?」

彼はふと我に返って私を見た。

「今、何を考えてたの?」

「別に何も。」

「うそ。絶対に何か考えてた。じゃなかったら、何かを見てた。」

「たとえば?」

“相泽同学。

“啊?怎么?”

他忽然回过头来看我。

“刚才,你在想些什么呢?”

“没什么。”

你骗人,你绝对在考虑着什么,不然的话,你就是在看着什么东西。

“比如说呢?

 

私は困惑して、首を横に振った。彼は、笑って、私の肩をたたいた。

「みんなが言うこと気にするなよな。たいしたことじゃないよ、あんなうわさ。」

「相沢くんって、大人っぽいよね。なんだか、私たちよりも、ずっと先を行ってるみたい。きみのファン、けっこう多いよ。女子たちが騒いでるの聞いたことあるもん。

我感到困惑无从开口,摇了摇头。他笑着拍了拍我的肩膀。

“大家说的那些话,你别在意了。那种传言没什么大不了的。”

“我觉得相泽同学你好成熟啊。有一种,你比我们都走在前面的感觉。有不少同学喜欢你呢。我有听到女生们在极力称赞你。

 

幹生は、ほんの一瞬、唇をかんだ。

「どうってことないよ。それも、全然たいしたことじゃないよ。」

彼は、そう投げやりに言うと、再び口をつぐんでしまった。彼のその様子は、私などには及びもつかないことを隠し持っているように見えた。私は不意に悲しい気持ちになった。彼は、明らかに、私と必要以上に親しくなることを拒否しているように見えて、そのことに私は同情していたのだ。私を含めた些細な事柄に、とても興味を示すことなどできないほどに、何かに対して心を砕いている彼の身の上を想像し、私はため息をつかずにはいられなかった。私たちの年齢の人間が許容できる大きさ以上に、何かを背負っている彼は、そういう人に見えた。

干生在那一瞬咬着自己的嘴唇。“没有那回事。那些也是完全不是什么大不了的事。”

他随口说完就再次沉默。在我看来,他像是隐藏着什么我们根本不能感受的东西。他对我们身边的事情都不太感兴趣,费尽心思也只是用在某个地方,他的身世一定让他背负着我们这个年龄无法承受的东西。这么一想,我突然觉得很难过。他很明显在拒绝跟我走的太近,我甚至有点同情他了。

 



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最后编辑于:2016-11-15 22:26
分类: 日语
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